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ある日の役者たちの自主練
連続隔月公演
春夏秋冬#4
朗読作品募集
結果発表
オフライン公演に向けて、ある自初の試みである、作品公募のコンテスト。
たくさんのご応募、有難うございました。
ご提出いただきましたプロットを、わくわくしながら読ませて頂きました。
その中で、同じ「そら」をテーマとしていながらどれも発想や解釈が違い、
非常に拮抗した評価となりました4名の方がいらっしゃいました。
そこで、それぞれの方に第一稿を書いていただきまして、再度検討させていただきました。
作品としての完成度やテーマの面白さ、
すでに決まっている作品との組み合わせ、
ある自の朗読として楽しめるかどうか、
というような観点で検討させていただきました。
どれも力作だったため、選出された1作品はオフライン公演の#4で読ませていただき、
他3作品はある自の通常回にて読ませていただくことに致しました。
以下に選出作品と、それぞれの作品の講評を発表します。
選出作品
ねこ沢ふたよ先生 「ソラの次は」
おしゃれなレストランで本日から働きだした美幸。
そこに、幼馴染夫婦の夫である一平が現れた。
が、隣にいるのは妻の政子ではなく他の女で…。
〈評〉
ポップな口調で不倫や殺害予告など物騒な言葉もオブラートに包まれながら進んでいく過程が面白い。
【そら】という言葉がギミックとして暗喩で使われており、面白くわかりやすかったです。
ほぼワンシチュエーションで登場人物像も明確であり、
小説としては勿論、朗読にした場合でもお客様に耳で愉しんで頂ける作品だと思いました。
淺琲凜李子先生「闘う絵日記」
入院している12歳の少女真那は、自分は成人を迎えるまで生きられないと自暴自棄になっていた。
そこに、同じ病室に誠二という同世代の男の子がやってくる。
誠二の絵日記を通じて、マナは心を開いていく。
〈評〉
本作が初めての小説執筆とは思えない程、応募時のプロットが良く練られていました。
起承転結の構成も分かりやすく、ラストは読み手の『そうなって欲しい』を汲んだものであり、
中高生に特に好まれる内容だと思います。
しかしながら「小説」というよりは「台本」的であり、
地の文での情景描写や登場人物の心情の表現に余地があります。
舞台化、映像化なら非常にいい物語なのですが、
オフライン公演の場で朗読するには少し難しいと判断いたしました。
病気の描写は、実際の病名を挙げるとリアリティや整合性を取るための表現が必要であり、
その部分が若干弱いと感じられました。
石嶋ユウ先生「そらの彼方でまた会おうぜ!」
宇宙船パイロット養成学校に通う晴香。
先輩であり、バディを組んでいる天が卒業を控え、晴香は自分ひとりでやっていけるのか不安になる。
そこで天は、晴香にある提案をする。
〈評〉
近未来の宇宙を舞台にしながらも、そこに居る若者の心の機微に着眼したのは良かったです。
学園ものということで、若い世代にも受けるテーマだったと思います。
ただ、科学的要素が関わる作品の場合、そのリアリティとのバランスが求められるかと思うのですが、
宇宙船の操縦に関する描写や、宇宙デブリの描写など、イメージが膨らましきれないところがありました。
また登場人物が多く、相関図など分かりにくく感じました。
物語を構成する要素が多く、文字制限のためか、一つ一つが薄くなってしまっている印象を受けました。
藤﨑ことら先生「或る女優」
記者の八重は、ラブホテルで男性が殺害される連続殺人事件を担当していた。
犯人の女性を目撃した女子高生、ひとみにインタビューすると、
犯人は「お空の上から見ている」という言葉を残していったという。
八重にはその言葉に覚えがあり…。
〈評〉
サスペンスやミステリーの雰囲気をだしつつ、鬱屈した感情を揺さぶってくる。
衝撃的なラストに、読後の後味の悪さが◎。
短編小説としてかなり素晴らしいけれど、少し猟奇的であるのと、
既存の楽曲をテーマにした作品であり、権利関係の話が絡む可能性があり、
ある自の朗読公演で読む場合には非常にネックになると感じました。
ただ、物語がとてもよく作られており、映像化したいと思いました。
読み手に状況を容易に想像させられる描写が素敵です。
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